突然、肘内障になったお子さんを見かけたら?実は、よくあることなんですよ!
別名『マルゲーニュ脱臼』とも言われる肘内障。当院でも、時々親御さんが焦って連れて来られることがよくあります。ある同僚の友達は、家で娘と一緒にお風呂に入っていて頭を洗ってあげている時に、暴れたので腕を引っ張っり肘内障になってしまったと言ってました。
万に一などの確率でもなく、かなりの高確率で起きます。自身でなく、身近な知人で一度はお聞きになったこともあるでしょう。うちでは大丈夫と言わずに、備えあれば憂いなしです。対処法も、知っていて無駄にはなりませんし不安の少しでも解消できると思います。まずは、一度お読みになって下さい。
肘内障とは、どんな症状?
まずは、肘周りの構造を説明してみる必要があります。構造的には、肘から手首までのあいだには2本の骨があります。その部分を前腕と呼び、1本は、橈骨 もう1本は、尺骨で構成されています。
基本は、尺骨がベースになっていて肘と言われる部分は尺骨の末端のところを指します。その前腕の体幹に近い側は、肘の内側に輪状靭帯と呼ばれる輪っか状に付着した靭帯があり、その中を橈骨がハマっている形状になっています。そして、前腕の2本の骨の間には骨間膜という靭帯があり2本が離れにくい構造になっています。その2本が、クロスしたり平衡になったりすることを手首を捻る動作ということです。
さて肘内障になる状況ですが、①まずは手首を内側に捻った状態を作ります。 ②そして、肘から遠方に引っ張ります。そうです、これだけで肘内障が起こるわけです。肘の内部では、輪状靭帯から橈骨が脱臼または亜脱臼状態になっています。その後は、前腕が内捻りの状態のままだらりとして触られるのを嫌がり、その手を使おうとしなくなります。
よく勘違いされやすいのが、肘自体の脱臼です。全く違うのは、尺骨の肘部の凸と上腕骨の遠位端の凹が外れることを指しますので、その場合は肘の屈曲がしにくくなります。
肘内障の好発年齢と環境
肘内障の好発年齢は、まだ体のほとんどの組織が完成されていない未熟な年齢と呼ばれる1~4歳くらいと言われてます。その年齢の子供は、骨の末端にある軟骨もまだ未成熟で靭帯も強固にはなっていない状態です。このあたりの環境が完成されるのが5歳くらいといわれ、この頃その症状の件数はかなり減ってきます。
その症状が起きやすい環境としてよく言われているのが、子供と手をつないでいた時に引っ張って起きるケースです。一番多いのが、この発生機序で他には寝ている時の寝返りでも起きるという報告があります。
子供が友達と遊んでいて、いつの間にかはずれていたケースもあるので注意深く見てあげてほしいと思います。
肘内障がクセになるって本当?
肘の内部の構造は、すごく繊細な状態で構成されています。一度肘内障を起こしてしまうと、構造自体がゆるくなりその後も肘内障を繰り返す可能性が多いと言われています。
当然のことですが、しっかりと整復してもらった後は常にユルくあることを意識し強く引っ張たりしないようにして下さい。
文献では、5~6歳頃には靭帯がしっかりしてくるとされていますがないわけではありません。当院でも、以前5歳のお子さんが肘内障で来られたことありましたので。
肘内障の施術方法
一般的とされている整復法では、回外整復法があります。輪状靭帯から脱臼した時の状態に持っていき、その状態で外方に持続牽引して再度輪状靭帯にはめ込むといった方法で整復します。
他に、回外法やただの牽引のみでも整復できる場合もあります。
ここまでいってからビックリするかもしれませんが、自然に治っていたケースもあります。何度も脱臼していると、その部分がルーズになっていて抜けやすいが入りやすいという状態になっている方も少なくなくいます。
必ず整復後の確認作業で、バンザイ姿勢が可能かを見てあげるようにして下さいね。
ですが症状が起きた場合は、軽く考えずに必ず整骨院か整形外科などの専門院で診てもらうようにして下さい。
そしてもしその現場に居合わせたならば、患部に負担のかからないようにタオルなどを使って三角筋の要領で釣り上げてあげて下さい。
肘内障になった時のアドバイス
ほとんど全てと言っても過言でなく、子供に起きる症状です。まずは、肘内障になったお子さんを不安にさせないようにお声掛けしてあげて下さい。そして出来たら、痛みを和らげるためにも冷やしてあげれる場合はしてあげて下さい(RICE療法)。その後は、無理に動かさないようにタオルなどを使って首から吊り上げる状態を作って下さい。
そしてなるべく早めに、整骨院や整形外科など専門家の受診を受けて下さい。自然に治癒される場合もありますが、一応専門家の治療を受けることをお勧めします。
その後のケアについては、脱臼部に残痛感が残っている場合がありますので1週間ほどは無理して動かさないように三角布などで首から吊っておいてください。そして当分の間は、抜けやすい動作としてうんていや手を引っ張るような動作には細心の注意をするようにしておいてください。
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